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GYNECOLOGY
婦人科
生理に関すること
診察した患者さんの一人に生理痛と月経前の気分の落ち込みがつらくて仕事を退職せざるを得なかったという方がいらっしゃいました。退職される前に受診して頂きたかったと婦人科医として無念でした。
悩んだりモヤモヤしたら是非相談しに来てください。
提案できる方法はたくさんあります。あなたに合った治療を一緒に見つけていきましょう。
生理の量が多い
原因は大きく2つに分類されます。
子宮筋腫や腺筋症などエコーで子宮に病変がある器質的なものと、ホルモンバランスなどが理由でエコーに異常がないもの。
まずがエコーをみて原因を特定するのと、貧血になっていないかなどを調べましょう。
女性ホルモンを一時的に低く保ち筋腫や腺筋症の発育を防ぎ、ピルやミレーナ(子宮内に小さな器具を留置)などあなたに合った治療を模索していきましょう。
月経不順(揮発月経と頻発月経)
生理の周期は25日から38日が正常とされています。
3か月に1回(90日以上は揮発月経)、月経があれば様子をみるという選択肢もありますが、なぜ不規則になってしまうのかなどは一度診察しておいた方がいいでしょう。
不規則になるのには排卵障害になるPCOS(多嚢胞性卵胞)の方が多くいらっしゃいます。
通常月経14日目に排卵が起こりますが、多嚢胞性卵胞の方は排卵ができず、卵巣にネックレスのように排卵できないでたまっている卵胞がみられます。
排卵の周期が平均より長いのでその分タイミングがとりづらく妊娠しづらいこともあります。体質なので治癒は難しいのでうまく付き合っていけばいいのです。
生理が年齢の割に来なくなってしまった場合は早期閉経状態になっていることも考えられます。
ホルモン値を調べてホルモン補充療法(HRT)や漢方、エクエルなどの内服で女性らしさを保ち老化を遅らせましょう。
逆に25日未満で生理がきてしまう頻発月経の場合もピルで調整することは可能です。
月経が定期的に来ないと不安な方にはピル、妊娠希望の方はホルモン剤を処方しながらの不妊治療が可能です。
月経前の気分不快感
月経前症候群(Premenstrual Syndrome: PMS)と月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)として最近認知されるようになってきました。
排卵期から月経開始2-3日までの期間で精神症状から身体症状さまざまです。
原因は100%特定されているわけではありませんが、排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)や月経前に減少するセロトニン(情緒を安定させるホルモン)の影響といわれています。
ホルモンを一定にすることでホルモンの変動を防ぐことのできるピル、漢方薬や抗うつ剤や抗不安薬を症状に合わせて処方していきます。
帯下(おりもの)に関すること・性感染症
帯下の量が多い、色がおかしい?においがする?・・・人と比較できないため普通がわかりにくいものですね。
ただ生理周期によってオリモノは変化します、それは妊娠するのには大切なことです。
排卵期に透明で量が多くなり、黄体期(排卵がおわってから生理がくるまでの間)になると粘り気がでます。妊娠のメカニズムには最適です。
ただ、かゆみを伴い匂いがある場合は一度細菌やがいないか検査することをお勧めします。
カンジタ症
カビの一種です。性行為でうつるものではなのですが、乳酸菌などの善-玉菌が減少してバランスが崩れるとかゆみやカッテージチーズのような帯下が出現します。
原因は抗生剤の内服、体調不良、性交渉、下着の締め付けなどによる蒸れ、糖尿病などです。
検査はオリモノの培養で、治療は洗浄と膣剤を挿入し、軟膏を処方していきます。市販薬は効きづらいこともあり、本当にカンジタなのか診断できません。
繰り返す場合や効果がない場合は検査をおすすめします。
クラミジア
性行為で感染します。性感染症で一番頻度が多いものです。
性行為から1-3週間でオリモノなどに症状がでることがありますが、無症状のこともあります。
無症状なので、知らない間に腹腔内や卵管(受精卵が通るところ)がふさがって不妊症や子宮外妊娠の原因となってしまいます。
当院の治療は内服薬です。治療中に再感染すること(ピンポン感染)もあるのでパートナーにも必ず検査・治療をしてもらいましょう。
陰性になったら確認するために内服してから3週間程度で再検査が必要です。
淋菌
性行為で感染します。
性行為から2-7日でオリモノに匂いがでたり黄色~緑色の色になったり、量がふえたり、膿っぽいものがでたりすることがあります。
無症状のこともありますが、知らない間に腹腔内に感染が広がり、骨盤内全体の炎症につながり、不妊や腹痛の原因になります。
ピンポン感染にならないようにパートナーにも泌尿器科で検査をしてもらいましょう。
治療は当院では点滴治療になります。治療から3週間程度で再検査が必要です。また、オーラルで喉の炎症による痛みや腫れ、発熱などを引き起こすことがあります。
マイコプラズマ性感染症
マイコプラズマは以前から肺炎をおこす(ニューモニエ)が主流でしたが、尿道や腟に感染するのは「マイコプラズマ・ジェニタリウム」「マイコプラズマ・ホミニス」という菌です。
知名度があがってきていますが、こちらもクラミジア同様尿道炎や子宮頚管炎などの原因になります。
マイコプラズマの潜伏期間は、3日間から5週間程度です。症状としてはオリモノの増加、かゆみや痛み、炎症です。
無症状で経過することもあります。また、オーラルで喉の炎症による痛みや腫れ、発熱などを引き起こすことがあります。
膣トリコモナス症
昔からある性感染症です。原因は、膣トリコモナス原虫(Trichomonas vaginalis)という微生物で、腟炎を起こします。
感染してから10日ほどで症状がでてきますが、半数は無症状で経過します。
症状としてオリモノが黄緑色や泡状になり、悪臭、かゆみなどがでることがあります。当院では膣洗浄し膣剤をいれます。連続膣剤の投与で治療できます。
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